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【みなとカーニバル】和香様の座する世界

wakasama00.jpg

和香様の座する世界
http://www.minatocarnival.com/wakasama/


この世界から数多の御霊は失われしまった(遠い目)


みなとカーニバルの『和香様の座する世界』。
タカヒロ×田中ロミオのタッグで展開される本作は、まさに200年に1度の作品!


現代に復活した国津神の「和香」様と「琉々葉」様が無双しながら、神話の謎に近づいていく物語。
ビックリマンシールを集めながら歴史のパラドックスと対峙します。

序盤から中盤に掛けては妖怪大戦争しつつコミカルに進んでいき、終盤に差し掛かると神話と絡み合いながら世界の成り立ちを紐解いていくのですが、面白いのは面白いんですけど、ちょっと勿体無いですね。

これをやるならミドルプライスでやってはいけない作品だと思う。
本来であれば腰を据えて取り組むべき作品だったんじゃないでしょうか......。

wakasama02.png

和香様自信は素晴らしいキャラクターなんだぞーい。

藤子ルートとかがあって最終的に和香様に収束するなら分かるのですが、これでは......。
殆ど全てのキャラクターが使い捨てとして登場するだけで、2重の意味で物語上の役割を担う演者でしかなく、主人公も主人公で深い関わりを持とうとしないので、何の展開も起こりません。

なので、熱い展開も、泣ける展開も、驚くような展開もない!
ただただゆるゆると進んでいくだけでプレイヤーの感情を揺り動かすようなものはありません。

主人公が悲劇的な運命に抗ったりするわけでもなく、基本戦闘要員は神様なので主人公は割りと傍観者です。
運命(この場合は神話)が変わったら変わったでリアルな問題が発生するのですが、それは後述します。

本作における主人公の役割とはストーリーテラーであって、主人公が主体的な存在ではない。
では、主人公は「誰」なのでしょうか? 続きます。

感情の高ぶり、激情こそがゲームを強く印象付ける面白さだと思う。
確かにライトに遊べるんですけど、そういう作品って後に何も残さないんですよ。
『真剣恋』や『辻堂さん』とかは長く支持された作品ですが、『姉小路直子と銀色の死神』は全然です。

『姉小路直子と銀色の死神』はそもそもライトに遊べる作品を目指したものなので、コンセプト通りといえばコンセプト通りなのですが、でもそこに強く惹きつけるものがなくて、記憶に残らない薄い作品になってしまっています。特にキャラクター達が個性的で魅力ある分、なお更それを活かさない物語の薄さというのが際立つんですよね。


とか言ってますが、上で言ってることは全部無視して良いです(笑)
無駄無駄ァ!

wakasama01.png

琉々葉様の黄金拳でぶっ飛ばしましょう!


というのも、このゲームの本質は何か?
それを考えれば、物語や展開がどうだとか語ることはさして意味などない!

というか、本来こういう事を語るべき御霊達は何処にいってしまったのでしょうか?
「このゲームはこうですよ」と語るべきこの世界の羅針盤たるエロゲーマー達は何処にいってしまったのか......。

そうかこれが和香様や琉々葉様が味わった虚無感......。
この世界は随分と寂しいものになってしまったなぁ......。


まぁ、それはともかく。
冒頭、このゲームは200年に1度の作品と言いました。
これは比喩的な意味でもなければ、200年に1度の傑作だったり名作だったりということでもありません。
文字通り200年に1度の作品なのです!


『和香様の座する世界』、この作品は発売日が4月末でなければなりません。
それ以外の発売日などありえないし、そのタイミングで発売出来ないのならやる意味がない。

つまり、この作品は何か?

それは改元なのです。

今年、光格天皇以来200年ぶりに天皇陛下の退位が行われました。
令和の時代に生きる私達。それこそが本作のテーマであり、本質です。

『和香様の座する世界』で描かれるのは、日本がどうして日本なのか、日本人がどうして日本人なのか、この世界、私達が今こうして生きてる日本という国と人、それがどのような成り立ちで生まれ、そしてどのように今を生きるのか、それを改めて学ぶ作品であり、一つの解釈であり、壮大な歴史のダイナミズムです。

つまり我々は和香様の子供なんだよ!

ここからはネタバレになりますが、そろそろ問題ない時期でしょう。
終盤に明かされる和香様の正体「玉依毘売命」とは誰か?

それは初代天皇、神武天皇の母君です。
神代と人代を繋ぐ存在、それが「玉依毘売命」であり、和香様です。

琉々葉様の正体とされる「豊玉毘売命」は、神武天皇の祖母とされています。
古事記にはそう記されているわけですが、天孫降臨が起こり、そして初代天皇、神武天皇が誕生し、日本という国の歴史が紡がれていくことになります。そしてこれはファンタジーであり、ファンタジーではありません。

我々が今こうして生きている日本の正式な歴史です。
皇位継承の儀式では、「三種の神器」が継承されましたよね?

ニュースなどで始めて儀式を見たという人も多いのではないでしょうか?
今回は特に崩御ではない形での継承なので、良い意味で各儀式に注目が集まりました。

三種の神器と言えばそれこそ物語の世界では有名ですが、本当にそれが存在し、それを継承することが天皇という存在を確かなものにしています。勿論、その中身は見ることが出来ず、遠い過去に既に失われているという説もあります。しかし、その中身が本当に存在しているのかどうかに関わらず、皇位継承によって数千年間受け継がれてきた神器が確かに存在する。

日本という国はそういう国であり、日本人は神話と共に生きてきました。
日本人は何代も遡っていくと最終的には皆天皇家の血筋に行き着くとは良く言われることですが、それは天皇家が世界一長大な歴史を持つ万世一系を紡いできたからであり、だからこそ日本人にとって天皇家というのは遥か遠い親戚みたいなものであって、決して自分と無関係の存在ではありません。日本人であれば誰もが神代から繋がった存在なのです。そして民への祈りを捧げる象徴としての存在が天皇陛下なんですね。

過去には女性天皇もいましたが、何故女系天皇が問題なのかと言われれば、それが父系の断絶により神代からの歴史が途絶えるからです。もっと言えば、仮に某小室さんが皇室入りして、生まれた子供が皇位継承してしまうようなことになると、万世一系が崩壊し、紡がれてきた神格が失われてしまう。それはもう皇室と言えるのか、それで本当に日本の象徴として国民から敬われる存在となることが出来るのか、安易に決めて良い事ではありませんし、それにより日本が崩壊するかもしれない。

本作のゲームに則って言うなら、和香様と共に生きてきた我々が、和香様の加護を失うということです。
これはね、大問題なんですよ。あまりこの話題に深入りすると長くなるのでここら辺で止めますけど(笑)


つまり、本作のタイトル『和香様の座する世界』。
それはまさにその通りです。

作中ラストで、和香様と主人公達はこの人の世を共に生きていきます。
それが日本の始まりであり、今のこの私達の歴史がスタートした瞬間なんですね。

この世界こそが和香様が座する世界である!
だからこそ、本作は改元のタイミングで出す必要があったし、それ以外に重要な事は何もない。

たまたま改元と発売タイミングが偶然一致したのでなく、200年ぶりに天皇陛下の退位が行われ、崩御という形ではなく極めて祝賀的に退位が行われることが事前に明らかだったからこそ改元に合わせて作られた作品であり、この発売タイミング、それ自体が本作最大のトリックなんでしょう。

改元が行われるそのタイミングで、初代神武天皇から繋がる人の世の歴史が描かれる日本の創世神話。
壮大ですよね!

しかし、本来ならこのよう大仕掛けの作品はテーマ的にも物議を醸すことになるはずですが......。
ましてや話題としては最も扱いが難しいタブー中のタブー皇室ですからね。

とはいえ、それらをこうして語ろうという人達も今はもう殆ど失われてしまっているのが現実です。
それもまた和香様達が感じた寂しさに連なるものなのかもしれません。

本作最大のミッションは発売タイミングであることは明白なので、それが成された今、続編やFDを望んだりする一般的な発想は割りとリスキーかもしれません。これはこれで「この世界は和香様と共にある」ということ以外の余分を付け足すべきではないような作品のようにも思えますし、とはいえ別にFDが出て何か殊更話題になるようなこともないと思うので良いんですけどね。


本作をプレイしていてロミオ作品ということで、昔、銀時計さんから発売された未完の名作『おたくまっしぐら』を思い出しました。この作品も一見、秋葉原をテーマにした恋愛ストーリーに見えて、もう一つの大きな物語が隠されていた野心的作品です。

このような街が現実に存在するのはおかしい

というテーマであり、それこそまさに当時の秋葉原が纏っていた神秘性でした。
本来なら各ヒロインクリア後に裏ルートが開放されるはずでしたが、結局それは描かれず未完のままになり断片的なシナリオが残るのみ。

これは秋葉原ブームというものが起こっていたとき、誰もが秋葉原という街に感じていた違和感。
このような非現実的な街が存在することに対する根源的な疑念であり、フィクションのような街の存在が現実との齟齬を生み出すことによって、フィクションと現実に対する認識の揺らぎを上手く具現化した作品だったからこそ、完結していればロミオ作品として後に語られる傑作になっていたでしょうね。

『おたくまっしぐら』が「フィクション」と「現実」なら、『和香様の座する世界』は「神話」と「歴史」であり、似通った性質を感じさせるので、思わず懐かしさを憶えてしまいました。


そういえば、和香様と琉々葉様は海の神ですが、このことも日本の歴史、ひいては特徴に起因しています。
大日本帝国時代の支配地域からも明らかですし、今でもそうですが、伝統的に島国というのは大陸国と比べて圧倒的に海軍力に優れています。イギリスもそうですよね。海の加護がある。和香様に守られているということです(笑)

四方を海に囲まれている島国にとって、海という存在は非常に特別なものであり、加護と災厄を同時享受していきました。ときに津波などの水害に見舞われることもありますが、しかし外敵から島を守ってくれる存在でもあり、日本の創世神話において、神武天皇が海神の娘である玉依毘売命から生まれるのは日本という国の必然とも言えるでしょう。


到底エロゲーの感想とは思えない(笑)
しかしまぁ、改元を機に改めて実感した人も多いと思いますが、日本という国が神話に連なる国であり、そして未だに神話と共に生きている国であるという事実は、歴史の重さと歴史の面白さを学ぶ良い機会となりましたし、本作もそうした契機の一つなんだろうと思います。

何故日本という国が世界の中でも突出して創作を得意とするのか、なんとなく理由が見えてきますね!


改元という、それ自体をテーマとした本作は、日本と日本人とは何か?
というアイデンティティを見つめ直す物語であり、新たなる創世神話と言えるのではないでしょうか。

我々は和香様と共に生きている!


【星】
★★★★★★★★☆☆
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