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【キャラメルBOX】処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星

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処女はお姉さまに恋してる 3つのきら星
http://www.caramel-box.com/products/otoboku3/


まさか最新作が発売されるとは思っていなかった『おとぼく3』。
今から13年前の2005年、圧倒的な反響を呼んだ名作の最新作とあって非常に楽しみにしていました。

ナンバリングが3ということもあって、『3つのきら星』というナンバーに掛けたタイトルとなり、3人のエルダーが三角形のそれぞれ違う星となって、生徒達を導いていく、そんな女装潜入スラップスティックファンタジー。

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主婦力が高すぎる主人公「密(ひそか)お姉さま」※男です


個人的にもとても好きな作品で、1&2もそれぞれ何度かプレイしたくらいだったので、本作にはとても期待していたのですが、ちょっと3はガッカリです。というか実質未完成ですよね?

まずいきなり発売日から351MBもある修正パッチが出ているのは問題です。
内容は音声の不足で「一部収録間に合わなかった音声が~」となっていましたが、それはつまり完成していない、未完成のまま発売を強硬したということに他ならず、マスターアップしてないじゃん。

完成後に何かしらの問題点が発覚し、それを修正するパッチなら分かるのですが、収録されていない音声を後から追加するというのは修正ではなく、未完成であると自ら主張しているようなもの。完成していないものをマスターアップしましたと言っていたわけで、それは修正とは言いません。

ではそのパッチを充てれば完成するのかといえばそうではなく、体験版以降は主人公の音声がパートボイスに。
このパートボイスも非常に中途半端で、特定の重要なシーンではボイスが付くというハッキリした仕様なら分かるのですが、実際には付いたり付かなかったりで、唐突にボイスが入ったりなくなったりと、音声が付く箇所も疎らでいったいどのパートに音声が付いているのかも不明瞭なので、収録時に完成していたシーンにのみ付けたようなアンバランスさが目立ちます。

もともとこの作品は極めて特殊な経緯を辿った作品で、当初は主人公の「瑞穂お姉さま」にボイスがなく、コスト面からも難しいという話だったのが大ヒットによって要望が叶い、後に【主人公フルボイス版】がパッケージで再発売されるという異例の展開を見せた作品でした。

自分としてもとても好きな作品だったので、改めてフルボイス版を買い直してプレイするという珍しい経験をした作品です。それくらい面白かったですし、それくらい主人公に音声があることが魅力的な作品だったんですよね。

そういった特別な経緯を辿った作品だからこそ、今回の中途半端なパートボイスは完成度を下げてしまう大きな要因になっていると思います。というか、いったい351MBも何が不足していたのか分からないくらいパッチを当てても不足だらけです。

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密さまには失望しました 美玲衣さまのファンやめます



もともと本作は雰囲気ゲーでしたが、今作は本当に雰囲気だけになっています。
ありていに言えば、エピソードが全くない。

殆どが日常シーンの連なりで消化されてしまっており、エピソードがないのでメリハリがありません。
同時にそれはヒロインの魅力を表現するパートがないということなので、何故ヒロインがそう思うのか、どういった心境の変化を辿ったのか、それによって主人公への想いがどう変わっていくのか、そういったことが何も解消されないまま進んでいきます。

例えば、織姫さまが夏休みに寮に遊びにきて花火などをして遊んだのが楽しかったと語るパートがあるのですが、織姫さまルート以外ではそういうことがあったという話を後日談として聞かされるだけで、ゲーム内で描かれないのでプレイヤーはそれを知りません。

本来であれば、そこで何らかのエピソードがあり、心境の変化があったことで寮に引っ越してくるという展開が発生すべきですが、当人のルート以外でそんなことがあったと事後報告的に語られてもプレイヤーには戸惑うばかりで、こうした進行上の矛盾が発生する頻度が高いので、その度に大きな違和感を持つことになり非常に気になります。

他にも奉仕会の生徒が心情を照星に相談しに行くシーンなど、これからそういうエピソードが発生するという直前で終了し、何事もなかったように次のシーンが発生したり、学園祭も準備に追われる中、始まって見たら特に何が起こるわけでもなく終了したりと、一事が万事その調子で全くエピソードらしいエピソードが起こらず日常パートのみで進んでいくのでとても淡白です。

とにかく前説ばかり語られて一向に本番が始まらない演目のようなものでしょうか。
こういった構成であるならば1章=1ヶ月方式でタイトルが付いている必要もありません。

前作の「私たちの十月革命」のような内容に合ったサブタイトルもキャッチーな作品でしたが、今作では印象的なエピソードが全く起こらないので凝ったタイトルも頭に入ってこないんですよね。それを印象付けるエピソードが不在なので次回予告もあまり機能していませんね。


主人公が織姫さまの護衛であり風早グループの嫡子でもあるという設定からしょうがない部分もあるのですが、全編通して共通、個別共に織姫さまの影響力が大きすぎることも作品の幅を狭めています。

本来すべてのヒロインは独立した物語が展開されるべきですが、どのヒロインを選んでも何かしらの場面で織姫さまが出てくるので流石にバランスが悪く、何故そうなるかと言えば、今作においては殆どのヒロインの問題が、個人の感情に起因しない外部の家の事情ばかりであるというところに根本的な原因があります。

本作は女装潜入モノというジャンルですが、そうであるなら、本質的に物語の中核となるのは、同性に対して恋愛感情を抱いて戸惑ったり、男性だと判明して悩んだりと、そうした主人公とヒロインとの間での繊細な感情のせめぎ合いこそが中心であるべきなんだろうと思うのですが、今作では男性だとバレる展開は随分アッサリというか、悪く言えば粗雑であり、個々のヒロインに何ら影響も与えないままスルーされるくらいの軽い扱われ方で消化されます。

自分が信頼し、慕っていたお姉さまが実は存在を偽っていたというのは大きなショックになるはずなのですが、このジャンルにおいて最も重要なエピソードがおざなりのまま済まされ、各ヒロインの個別シナリオは殆ど家の事情でどうこうといった唐突に降って湧いた外部から持ち込まれた問題が中心になっているので、ヒロインの個性が全く活かされず、主人公の密さまの常に部外者という立場でしか関われません。

美玲衣さまにしても、もっと衝突があって、それを乗り越えて成長していく過程があって仲良くなっていくものだと思うのですが、なんとなくいつの間にか和解しており、刺々しい序盤からいったいどこでそれが変化したのか話が飛んでいて分からないんですよね。


しかも水泳部の子でやったのと殆ど同じ展開と解決策であり、流石にしつこい上に、美玲衣さまルートにも関わらず織姫さまの影響力が強すぎて全然個別シナリオをプレイしている気になれないので感情的に乗り切れない部分が大きいです。もっと独立した展開になってないとヒロインが複数いる意味がまるでありません。

ただでさえ今作は共通ルートの占める割合が大きいので、ルート毎の差別化が全く出来ないと思う。

そんな調子なのでヒロインの魅力を表現する場も不足しており、終始なんとなくそうなっているという感じでそれを裏付けるものがない。BGMも前作のBGMが使用されていたりするのですが、それもあもって雰囲気だけは確かに前作の雰囲気を受け継いでいるのですが、本当にそれだけしかなく、1では幽霊の一子ちゃんが登場したり(それによって主人公の水着問題が解決する)、貴子さまと対立したり、下級生達の嫉妬から色々あったり、サブキャラクターの生徒達同士で性別の垣根を越えた問題が起こり、それを主人公が見守ったりと、本当に多様な人間関係の触れ合いの中で、泣いたり、傷ついたり、笑ったりしながら緩やかに、そして優しく進んでいくという構成だったのが、一転して踏み込んだ内容がなくなり最大の魅力が失われています。



本来ダイジェスト進行が致命的に向かない作品であり、一つ一つのエピソードの積み重ねによって、繊細に紡がれていくべき物語が語られないのはかなり不足感があります。何か起きそうで何も起きないというずっと肩透かしで進んでいくという。

全体的に順序や辻褄が合わない部分も目立ち、擦り合わせも上手くいっていないのも目立ちました。
挿入歌も普通だったら感動的なシーンで入るものですが、良く分からないタイミングで挿入されたりするので、使い道に困ってとりあえず入れてみたという場当たり感が強く、なんとも微妙です。

完成度で言えば、一見雰囲気で誤魔化していますが、決して素晴らしいとは言えない内容となっています。
めちゃくちゃ期待していただけに本当に残念。

正体がバレる作品において重要な展開もフワッとしていたりするので、ドラマティックな部分というのが劇的に減っているんですよね。そういうところが物語に勢いを生まない要因となっています。

こういっては何ですが、あのアニメのDVDですら初回版購入してますからね(笑)
『Aice5』の宣伝に利用されたあのアニメには思うところありまくりましたけど、それでも全巻購入しましたし、文庫の「櫻の園のエトワール」も持っていますが、本当に好きな作品だったので、今回はかなり残念な気持ちが強いです。


ただ本当に設定とか主人公は魅力的なんですよ(笑)
3人がそれぞれ違う役割を持って学園の星になるということは、それぞれの役割でしか出来ない事があったはずだし、今回の主人公は若くして母親力が高い主婦だったりと、また一つこれまでとは違う魅力の主人公となっているので、それはそれで物凄く魅力的で、対象となるヒロインも多いですし、良い点は沢山あります。

それだけに勿体無いという印象が強くあり、作品の魅力として、単に主人公とヒロインという関係性だけではなく、姉と妹といった上級生と下級生の縦軸の人間関係、鳥篭の中に存在する様々な人間関係が面白い作品なので、それだけに何故こんなに雑な仕上がりになってしまったのか......。

唯一無二の雰囲気と個性を持つ作品なので、こうして3が発売されたことは素直に喜ばしいのですが、今回の場合、主人公がフルボイスになれば解決するか言われればそういう問題でもないだけに、なんかもうホントに惜しいとか言えません。


しかし改めて振り返ると、こんな特殊な作品が13年前に大人気になったという事実はエロゲーの懐の深さを感じます。
どう考えたってとにかくマニアックなジャンルじゃないですか。

現代風に言うなら「護衛の俺が女装して学園に潜入したら無双でチート」みたいな内容なんですけど、まず女装主人公ものっていうだけだけで相当篩いに掛けられる特殊なジャンルにも関わらずヒットに繋がったというのは多様性を表す重要な指針のように思えます。

はぁ......でも本当に勿体無い。
完全版として作り直してほしいくらいです(笑)


【星】
★★★★★★★★☆☆
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