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【BISHOP】屈辱

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屈辱
http://www.bishop.jp/products/ktjk/


圧倒的な完成度で大傑作となった『屈辱』。
久しぶりにかなりダークサイドに寄った内容となっており、その絶望感足るや陰鬱になること間違いなし!
しかし、それ以上にエロゲーとして面白い、痛快すぎる名作の登場に拍手喝采!!


と、いうことでBISHOPさんの新作で『屈辱』
近年でも相当面白かったです。今年のGOTY級と言っても過言ではないでしょう。

まず非常に骨子がしっかりしていてテーマでありタイトルである『屈辱』からブレません。
徹頭徹尾ヒロインに屈辱を味合わせて絶望に叩き落としていきます。

とある大物政治家の息子ながらエリート高で落ちぶれている主人公は劣等感に苛まれています。
そんな主人公が「人体掌握能力」を手に入れ自らの欲望を満たしてくことになるのですが、

ではヒロインにとって『屈辱』とは何なのか?

この問いに対する答えが明確に設定されています。
それこそがEDで共通する『望まぬ妊娠』。

実際それは屈辱以外の何者でもないでしょう。
好きでもない主人公の子供を孕まされることは屈辱でしかありません。

この『屈辱』というテーマ。
そして、ゴールに設定されている『望まぬ妊娠』。

これは言い換えればスタートとゴールが決まっているということです。
だとすると、その間にある物語の方向性も必然的に決まってきます。

ゴールが『望まぬ妊娠』である以上、ヒロインはED直前まで本当の意味で堕ちることはありません。
終盤になり主人公の命令に対して従順に従っているときでも、最後の最後まで心理的抵抗を持っています。

これまでの作品のように途中で完全に堕ちてしまい途中からラブラブになってしまうと『望まぬ妊娠』というゴールから逸れることになります。つまりゴールが最初から設定されていることで自然にヒロインはED直前まで堕ち切らないというストーリー展開が出来上がり、それによって後述する感情のベクトルが実に上手く機能しています。

この構造は非常に綺麗にまとまっていて見事です。
今作のずば抜けた完成度の高さは、最初に掲げたテーマとそれによるゴール設定が上手く嵌ったからこそ成し得ものではないでしょうか。なかなかこれがバチっと決まって会心の出来になるタイトルというのは出ないので、そういう意味でも痛快で気持ち良い傑作に仕上がっています。

逆に、あまり上手く嵌ってないものがどういうものかというと、前々作くらいで『修羅の○○道』(検閲ワード対策)という作品がありましたが、エッチシーンにおいて最高で3段階の攻めを発生させることが可能なシステムが実装されていましたが、このシステム自体は面白いんですけど、これによって主人公と敵対する立場である鉄道警備員のヒロインが最初のエッチシーンからいきなり快楽堕ちしてしまうというものがあり、これはちょっとシステムとヒロインの設定が矛盾をきたしています。

設計が上手くいっていないと、こういう齟齬が出がるのは仕方ないのですがやはり違和感を覚えますよね。
『屈辱』はそこがテーマとピッタリ嵌っていたので、ヒロインの全てが面白くてエロかったです。


しかしながらアレですね。
ちょっと脱線しますけど、この種のゲームって攻略段階が一律でなくても良いと思うのですが......。

というのも、n回目の接触でイベントが発生というのがどのヒロインも一律だったりすることが多いのですが、それだと最初からどのヒロインに対しても攻略している感がないというか、一人クリアすると、それ以降予め分かっちゃうので機械的になりがちじゃないですか。

ヒロインの個性(性格)=レベルデザイン(ゲームの難易度)

というのはもっと理論として普及しても良い気がします。

気の弱いヒロインは攻略が簡単。よって少ない選択回数でエッチシーンが発生する。
しかし警戒や敵対していたり、気の強いヒロインは選択回数が多かったり、或いは特定の条件を満たさないと攻略が難しいといったようなヒロインの性格によって(難易度)接触段階が変わったりしても良いと思いますし、昔はそういうのがある程度あったように思うんですけど、だんだん簡略化されてきているような気がします。

それは勿論、それが面倒であるといったような葛藤との兼ね合いなんですけど、あんまり何でもかんでもボーダレスだと遣り甲斐がないというか、ゲームである以上、その部分での面倒さっていうのは享受されて然るべきなんじゃないかと思うんですけど。これはプレイヤーの堕落なのかなぁ......。

だってラスボスっぽい見た目のヒロインと最初にターゲットになるような気の弱そうなヒロインが同じレベルで攻略出来たら、なんかやってやろう、いや犯ってやろうっていう気分が出ないじゃないですか(笑)

複雑な過程、面倒さを経たからこそ攻略出来るヒロイン(ご褒美)があっても良いと思う。だからこそクリアしたときに達成感が生まれたりするわけで、ゲームであるということの利点や強みだったり仕掛けみたいなものが実装されてるとより楽しいのかなと思わなくもありません。


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まさに大勝利の図!

意外だったのは今作で一番惨めな屈辱を味わうのが主人公の義妹である『愛歌』ちゃんということです。
主人公とは違い才能に溢れた天才気質ですが、口が悪くナチュラルに見下して来ます。

主人公に対しても罵詈雑言を投げ付けて来ますが、そんな『愛歌』ちゃんに憎悪を抱いている主人公は「人体掌握能力」の餌食にして、徹底的な復讐を屈辱を味あわせていきます。

今作では前述の通り『望まぬ妊娠』というゴールが設定されているので、終盤でもヒロインは完全に堕ち切ってはいません。『望まぬ妊娠』に対して抵抗感を持っています。しかし一方で既に心は折られ主人公に対して恭順の姿勢になっているので、断ることも出来ずといった死んだ目をした絶望の淵に囚われている状態が続くのですが、その結果、これは声優さんの演技が素晴らしいのですが、投げやりで自暴自棄になった「ははは......」みたいな笑ってるけど笑ってない乾いた絶望の笑いが本当に素晴らしい(笑)

改めてボイスの偉大を実感するところです。

終盤での主人公との会話は、主人公が望むような事を望むまま言っているだけなのですが、表情や声に力はなく乾いた笑いや嬌声が響く虚しさはテーマである『屈辱』がこれでもかと良く表現されており、特にこの『愛歌』ちゃんの絶望っぷりは素晴らしかったです。最初はあんなに憎たらしかったのに、もうこっちが可哀想になってくるという。心が痛んでしょうがない。


こういった類のゲームでは、感情のベクトルは3段階の変化を遂げます。


反抗→抵抗→恭順


「反抗」は文字通り主人公に対して敵対している状態です。
状況を打破する為に、ヒロイン側が罠を仕掛けようとしたり、こちらに対して敵意を剥き出しにしている状態を指します。

「抵抗」は反抗する気力が薄れた状態ですが、まだ自らが陥っている状況を受け入れていません。

消去的「反抗」でありながらも、明確に敵対する意思が失われようとしている過渡期となっています。

「恭順」は抵抗が無駄と悟ったことで陥る諦めの境地であり、諦観の極みです。
所謂「堕ちた」状態であり、主人公の言いなりになってしまう終盤におけるヒロインのメンタリティを表しています。
BISHOPさんのゲームで言うと、台詞に♡が付く頃ですね。


この3段階はヒロインによってそれぞれの段階に対しての長さが違う事が望ましいのですが、近年のBISHOPさんの作品では「恭順」の期間が全体的にヒロインのルートの半分くらいを占めていたのに対して、今回は「反抗」と「抵抗」の期間がかなり長いので、その点でとても歯応えがあって良かったです。

やはりこういうゲームでは精神的な抵抗値は高い方が面白いと思う(笑)

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個人的に最も印象が変わったのが「杏樹」先生。
めっちゃ良い先生やん......。なんでこんな素敵な先生を毒牙に......。

これまでの経験上、女教師=敵という固定観念を持っていたのですが、杏樹先生は味方です。
エリート校で周囲から見下されている主人公に対しても分け隔てなく優しく親身に接してくれます。

確かに杏樹先生自体は妖艶で派手な出で立ちから男子には絶大な人気でも女子から疎まれていたりもするのですが、とはいっても、影で主人公の事を徹底的に見下していたり敵視するわけでもなく、それどころか数少ない平等に接してくれる本来であれば味方になってくれるはずの素敵な先生だったのにどうしてこんな目に......。


実は今回「アレ?」と思ったのが、周囲は全て敵だと思っている主人公に対して、実はヒロインはそうじゃないという主人公とプレイヤーとのヒロインに対する認識の相違(ギャップ)もまた面白かったです。


最初から主人公に好意的な綾奈先輩
言葉はキツくても、主人公に対して這い上がる努力を促してくる真尋先輩
主人公が趣味の話を聞いてくれて嬉しく思っている友恵

義妹の愛歌ちゃんも自分が悪いと思って発言していませんし、杏樹先生も親しげにしてくれるなど、主人公がほんの少しでも劣等感から下を向くのを止めて、視線を上げて手を伸ばせば味方になってくれるヒロイン達ばかりです。

それが何故こんなことに......!?

盲目的な主人公にとっては、そうしたヒロイン達の好意や叱咤そのものが攻撃にしか見えず憎悪を募らせていくことになるのですが、だからなのかプレイヤーは主人公ではないのでヒロイン達に悪印象がないんですよね。

真尋先輩なんかも陥れる前は無視したり罵ってくるようなヒロインではなく、むしろ「そのままじゃ駄目だ。君はどうしたいんだ?」といったように親身に話に付き合ってくれたりする付き合いの良い先輩なので、だからこそそうした上から目線な態度が劣等感にまみれている主人公にとっては鼻について気に食わないわけですが、近年の主人公の中では最も精神的に未熟でありながら、最も強力な力を手に入れてしまった主人公になっていますね。

友恵ちゃんとか余計な力を使わなければ、仲良くラブラブカップルになるルートに直行していると思うんですけど、悲劇的な方向に向かっていくことしか出来ないのが悲しい限りです(泣)


いやー、本当に素晴らしいゲームでした。
クリア後の充実感も心地良く、素直に良いゲームだなっていうのが感想です。

ゲーム内の期間も2ヶ月と比較的余裕を持って進められるように作られており、1週で全てのイベントを回収することが出来るかと思いますが、とにかく構造がしっかり固まってました。

『屈辱』というテーマが全面に押し出されていて、それに沿った演技も素晴らしい大傑作となっています。
今年度のマストバイと言っても過言ではないでしょう。

今回、BISHOPさん的には「塗り」をこれまでは時流に沿って明るめにしていたのを、明るめを経てダークな感じに戻すなど試行錯誤も行われているそうです。そういうことを改めて公式HPで言及するというのもなんとなく珍しい気がしますね。

どちらが良いか、適しているかについては、原画家の方の絵柄に拠るようにも思うので何とも言えませんが、確かに前作の『課外授業 -私立白麗女子学園-』はあまり「塗り」が合ってないようにも感じたので、しばらくはダークな「塗り」が続くのかな?

こうした試行錯誤を常に行っているというだけでも素敵ですよね。
今後もとても期待しています!

そろそろ『しりこん☆まじっく』的なラブラブ路線のタイトルもありそうですが、やはりここは『特別病棟』か『スレイブポリス』に期待しましょう。何だかんだで職業モノは『恥辱の制服』がありましたし、いったい次はどんなタイトルが登場するのか、今作のクオリティの高さを見ると次も楽しみです。


【星】
★★★★★★★★★★






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