空前のアニメ映画ブーム到来
- 2016/09/22
- 23:43

ということで、『君の名は。』の興行収入100億円を突破という凄まじい数字が出て業界に震撼が走っています。
この状況を見ると、『君の名は。』を単なる作品論として監督がどうこうジブリがどうこうという視点よりも、アニメ全体として考えた方が良さそうです。同じくアニメ映画で、上映館数は少ないながらも『聲の形』も大健闘のヒットを記録。加えてゴールデンウイークには劇場版『名探偵コナン』が初の50億突破から一気飛び越えて興行収入60億円を達成。なんやかんやと『シン・ゴジラ』も大ヒットしているわけで、国内映画需要が一気にアニメなどのジャンルに集中しているのか劇場版アニメは大賑わい。
逆説的に言えばそれだけ邦画に魅力がないということになりますが、例えば『シン・ゴジラ』にしても個人的には特別どうこうっていうのはなくて、むしろ何故今まで観たいものが作れなかったのかということの方が問題のように思えます。需要に対して適切な供給が行われない。最終作と銘打って『ゴジラ FINAL WARS』みたいものが出てくれば、もうゴジラは駄目だなって当たり前の感覚として思うじゃないですか。まだ単年で続いていた頃の変化球というならまだしも、何故最終作と銘打ったゴジラ映画で人間同士の超能力バトルをメインにした映画を観なければならないのか、そりゃあファイナルになるよ。
同じように漫画の実写化で引くほど爆死した『進撃の巨人』や『テラフォーマーズ』といったように邦画のクオリティというのは見るも無残と言っていいほど落ちているわけで、映画に対する需要自体は依然としてあるものの、それがアニメなどに集中している結果としてこういう状況が産まれているのかなという気がします。だって次は何度目になるのか実写版『キューティーハニー』とかでしょう。あんなの作ってるようじゃ駄目だよもう。素直に爆死コースだと思う。
劇場版のアニメもヒットしているのはテレビ版の焼き直しなどではなく、ちゃんとした新作であることも健全ですね。深夜アニメの焼き直し劇場版が溢れていた頃より状況は大分改善したんじゃないでしょうか。
こうなってくると今後より一層、国内の映画市場においてアニメの比率が上がることになりますが、果たして邦画はどうなるのやら。ここまで来ると単体の出来云々というより現状の体制に問題があるということなのでしょうが、来年は更にアニメが増えることになるのは間違いない。『るろ剣』みたいに割りと忠実に手堅く作ったものが大ヒットするんだから、監督が原作見てません知りませんオリジナル展開ですみたいな無茶苦茶な実写化とか何故成功すると思うのか甚だ疑問ですけど、邦画の復活は......しばらくは無理かなぁ......。